太陽のような浜辺美波 君の膵臓をたべたい

「ヒロインが病気で死ぬ」というよくある設定だが、泣けるよりも心が温まる青春映画だ

 この映画が、悲しみよりもほがらかさを感じるのは、ヒロインの山内桜良さくら(浜辺美波)の笑顔が明るくて、可愛いこと。桜のシーンが多くて、華やかさをかんじること。この映画の桜のシーンのロケ地は、京都の伏見の出会い橋というところ。京都の有名どころの観光地とは離れているが、酒蔵街並み、十石船、坂本龍馬ゆかりの寺田屋など1日中楽しめるほどの観光地です。後、映画の中で流れている音楽が朗らかな気分にさせてくれる。

 桜良の同級生の「僕」(志賀春樹・北村拓海)は盲腸の手術で入院していた病院で、桜良の「共病文庫」を見つけ、桜良の膵臓病のことを知る。余命約1年の病気なのに悲壮感がなく、明るく振る舞う桜良に「僕」は振り回されていく。

 「僕」と同じ図書委員になるが、いい加減な本の整理をしたり、 桜良に連れられて、フルーツパーラーに行って、桜良の友達の恭子(大友花恋)にうらまれたりと、とばっちりを受ける。大人になった恭子(北川景子)は、同級生の「ガム君」(ガムをくれる男・本名・宮田一晴、学生・矢野悠馬、成人・上地雄介)と婚約し、「僕」に結婚式の招待状を送っている。

 そんな中、桜良の「死ぬまでにやりたいこと」に付き合うために、福岡のお泊り旅行に行くことになる。博多の屋台でラーメンを食べたり、太宰府天満宮にお参りとか、女子高生が企画する旅行とは思えないが・・・。

 お泊まりは、桜良の策略で1つの部屋に泊まることになる。ホテルの中での2人のやり取りは、この映画の見どころの1つだ。ただ、「真実か挑戦」のゲームで、「挑戦」を選ぶ人はいるのだろうか?

 お泊り旅行は、恭子の知ることとなり、「僕」は一層恭子に恨まれる。「僕」は学校で上履きを捨てられたり、「僕」への風当たりが強くなる。

 桜良は「僕」と学校で会いづらくなり、両親が留守の自宅に呼び寄せる。恭子が「僕」に迫ったのに、冗談とはぐらかすが、「僕」は怒って迫ろうとする。結果は・・・。

 桜良の家を飛び出した「僕」は、クラスの学級委員長・隆弘(桜田通)に待ち受けられる。実は、桜良の元カレで粘着質のために桜良に振られていたが、ストーカー的に桜良をつけていた。

 桜良は体調を崩し入院することになる。

 最期が近づいていることを感じる桜良は、「僕」と恭子を友達にしようとしたり、思い残していることをやろうとする。私が死んだら「共病文庫」を読む権利を与えるとも伝える。「僕」に一番聞きたいことを「真実と挑戦」を使って聞こうとするが、負けてしまい聞けない。(桜良は、「臆病だからストレートには聞けない」と述べる。)

 退院の許可がでて、「僕」とのデートに向けて家をでる。家からデートの待ち合わせに向かう桜良、桜良を待つ間に「僕」がメールを打つ場面は最高のシーン。

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 しかし、メールの返事は帰ってこない、2人は出会うことは出来ない。桜良は死んでしまう。

 桜良の死後、「僕」が「共病文庫」を読んで知ること、桜良が最後のデート前に図書室に寄ってやったこと、病気と共に生き、大切な仲間を思う桜良に涙が出る。

 そして「君の膵臓をたべたい」の本当の意味は・・・

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