三谷幸喜らしい、どんでん返しのコメディ映画
「総理大臣が記憶を無くす」という設定から面白い。支持率の2.3％の史上最悪の総理大臣・黒田（中井貴一）は演説中に市民に石を投げられて、記憶をなくす。首相秘書官・井坂（ディーン・フジオカ）と事務秘書官・番場（小池栄子）等、少数のものだけが秘密を知り、黒田を助けていく。記憶を失う前の横暴な姿と、記憶を無くしてからの小心者の姿のギャップが面白い。
黒田の妻・聡子（石田ゆり子）は井坂と不倫中。黒田も野党の党首・あかね（吉田羊）と不倫中。三谷幸喜らしい設定で面白い。黒田は息子・篤彦（濱田龍臣）にも嫌われている。
内閣官房長官・鶴丸（草刈正雄）との権力争いや、アメリカの女性大統領・スーザン・ナリカワ（木村佳乃）とのやり取りや、フリーライター・古郡（佐藤浩一）、官邸の料理人（斉藤由貴）、寺島進、梶原善など多数の役者が出演するのも、三谷幸喜らしくて面白い。鶴丸が失脚する理由が小物過ぎて笑える。有働由美子もちょっと変わった姿で出演している。
ラスト、番場が黒田の本意を見抜くが、その見抜く設定が三谷幸喜らしく、奥が深いもので感心できる。
観ていて、楽しく爽快な気持ちになる映画でした。
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