WBC観戦記

動画配信でWBCを観戦した

 アマゾンプライムでWBCが放送されていた。WBCほどのイベントなので、民放でも放送されていたが、アマゾンプライムは見たいときに、見たい場面を見れるので、はるかに便利だ。

 結果はあらためて書く必要は無いだろうが、栗山監督の気持ちを想像して書いてみたい。選手たちの活躍が優勝の一番の決め手だが、栗山監督の采配がすばらしかった。

 大会が始まってから、どうする栗山?の場面がいくつかあったと思う。

 まずは、前年の三冠王、村上の不振。4番を打たせ続けるか、打順を下げるのか、悩むところだったと思う。結果、5番に下げることにしたが、適切な判断だと思う。成績、風格からして、大谷、ダルビッシュと同様、侍ジャパンの中心選手だが、忘れてはならないのが、まだ23歳の青年だということ。日本中の期待を背負った重圧を、23歳の青年に持たせ続けるのは酷である。勝ってればよいが、もし負けて敗退した時のバッシングを考えれば、責任を軽くしてあげるのが、監督としての懸命な判断だろう。フランスワールドカップ敗退後に空港でペットボトルをぶつけられた城彰二や、北京五輪の後、刃物が送りつけられた岩瀬みたいに、暴走した国民の被害を防ぐことを考慮するのも、国際大会を戦う監督の重要な役割だろう。

 負傷した栗林の代わりに招集した、山崎颯一郎の起用方法も悩みどころだっただろう。結果は出場はなかった。わざわざ急遽呼び寄せといて、出場させないのは可哀そうという、声も出ていた。しかし、この大会において、可哀そうという理由で出場させることはない。おそらく情に深いであろう栗山監督にとっては、厳しい判断だったとおもう。

 準々決勝以降の先発投手の起用法も見ものだった。ダルビッシュ、大谷、山本由伸、佐々木が今大会の四本柱。準々決勝で大谷とダルビッシュを起用したのは、この時点では、両者のメジャーの所属球団との約束で準決勝以降の登板が出来ないからの起用と思われていた。二人を起用したことで、準決勝は佐々木、決勝は山本というのが大方の予想でした。しかし、ご存じの通り、決勝は今永を先発させてきた。今永の実力、今大会の調子を考えれば、決して奇をてらった起用ではないが、セオリー通りいくほうが、負けた時の批判が少なくなると、私などは考えてしまう。

 決勝戦の投手起用にも、栗山監督なりの深い考えが読み取れる。今永、戸郷、高橋宏斗、伊藤大海、大勢、ダルビッシュ、大谷。決勝戦で序盤でリードの展開。逆転されて敗戦したらと考えれば、どんなプレッシャーだろう。強心臓または、鈍感な人でないと、とても投げれない。伊藤大海は、全くプレッシャーなんか感じずに投げていたように見えた(内心はわからないが)。高卒3年目の高橋宏斗を登板させたのも驚いた。若干20歳の子が、日本の期待を背負い、もし失敗すれば今後の野球人生にかかわる場面だと思う。栗山監督は、高橋宏斗の度胸と技量を信じて送り出した。応えた高橋宏斗もすばらしい。

 ダルビッシュ、大谷のリレーは夢のようだ。この起用には、栗山監督の悩みは無かっただろう。この二人で負ければしかたない、相手のレベルが上。ダルビッシュは調子が悪いとはいえ、この大一番でダルビッシュの経験は頼りになる。大谷がベンチからブルペンに行く姿が映っただけで感動ものだった。その後はご存じの通りのガッツポーズ。何をしてもかっこいい。

 この優勝は、栗山監督の人望、人徳、洞察力がもたらした優勝だろう。

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