東野圭吾の失敗作

 

 

 

一部ネタバレばれあり

 最初に断っておくが、東野圭吾は大好きだ。ほとんどの小説は読んでいるし、映画、ドラマもほとんど観ている。

 だけど…、失礼を承知でダメ出しさせてもらう🙏

 面白い、面白くないはひとそれぞれなので、面白くない作品を挙げるものではない。ここで挙げるものは、「それはルール違反だ」というものだ。

 東野圭吾は、本当に素晴らしく頭のいい人なのだろ。小説家には珍しい工学部出身ということで、他の作家にはない色がでている。そんな天才東野圭吾は、天才が故にやらかしてしまうことがある。実際は、東野圭吾がやらかしているのでは無く、こちらの理解力不足かもしれないが😢。

  まずは、天才故に起きている残念な事象(ルール違反ではない)をあげる。

  「ガリレオシリーズ」。ご存じの通り湯川学(福山雅治)が物理学を利用して犯罪を解いていくシリーズです。確かに連続ドラマでは、物理学を活かして事件を解決しているが、映画では無理やり感が否めない。特に「沈黙のパレード」は無理やり物理的な犯行を差し込んだように思える。工学部出身の東野健吾はおそらく、湯川学への思い入れが強いのだろうが、読者はそこまで、物理学的な内容を求めて無いのではなかろうか。

 「マスカレードシリーズ」。第1作の「マスカレード・ホテル」は原作も映画も大変面白かった。2作目以降も面白くないわけではないが、1作目よりスケールダウンしている。特に映画の2作目、「マスカレード・ナイト」は、期待値からすると物足りない。元来、1つのホテルを舞台に面白い作品を出し続けることに無理がある。東野圭吾なので、敢えてこの困難に立ち向かうのだろう。このシリーズは、木村拓哉と長澤まさみのやり取りが面白かったが、2作目以降は活かされない。その点も不利なのかも。

 「真夏の方程式」の杏、「祈りの幕がおりる時」の松嶋奈々子が、過去に人を殺しているのに、明るすぎるし、大胆すぎる。松嶋菜々子にいたっては、わざわざ自分から刑事に会いにいっている。これらに限らず、東野圭吾の作品は、人間の機微に疎い面がある。これも、理系畑を歩んできた弊害かも。(勝手な想像ですいません🙏)ただ、加賀恭一郎シリーズでの親と子の愛情表現は人間味が溢れている。

 ここまでは、些細な粗探しのようなものだが、これから挙げるものは、「ルール違反だ」と言いたい。

  「どちらが彼女を殺した」、「レイクサイド(マーダーケース)」。この2つの作品は、最後に犯人を特定していない。サスペンスで犯人を特定しないなんてあり得ない。おそらく、読者に想像してもらうことで、楽しんでもらう趣向なのだろうが、ほとんどの読者は、スッキリしないし、期待するほどの想像力を持ち合わせていない。東野圭吾が考える楽しみ方を、ほとんどの読者は出来ないのではないか?「レイクサイドマーダーケース」は、面白いストーリーで誰が犯人かワクワクしていたのに,最後に騙された気分だ。時間をかえしてくれ~

 「聖者の救済」。この作品は、トリックがあり得ない。東野圭吾らしくとんでもないトリックで、まさに完全犯罪が達成されそうなトリックでは有るが、無理がありすぎる。あまりにも頭が良すぎて、策に溺れた感がある。小説なので、現実には無理な話もありだが、流石にこれは無い。それまでにだれかしんでるやろ!

 「放課後」。この作品は、犯人の動機が有り得ない。東野圭吾のデビュー作だからって許せらるものでは無い。よく出版社がOKを出したと思う。犯人の動機を読んだとき、思わず、「え!え!え!え!え!え!え!え!」となりました。私は、東野圭吾がまだ名を知らしめる前にこの作品を読んでしまい、この作者の小説は読まないと心に決めたほどだ。世の中に数多く推理小説が存在し、似通った動機で犯行を犯しているが、この動機で人を殺した犯人は存在しないだろう。恥ずかしくて突っ込めない😞

 失礼なことを書きましたが、私は東野圭吾の作品が大好きだ。

 

 

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