東野圭吾感動映画  手紙

オンワード・マルシェ

 「手紙」がいろんな場面で感動的な役割をはたしてくれる

 山田孝之が犯罪加害者の家族の苦悩を演じる映画。沢尻エリカが恋人役を演じる。沢尻エリカが、別に」騒動を引き起こす前年の映画。

 武島直貴(山田孝之)の兄、剛志(玉山鉄二)は強盗殺人を犯し服役中。直貴は、自分の大学進学のために罪を犯した兄を嫌いになれず、手紙のやり取りを続けている。直貴は中学からの同級生、寺尾祐輔(尾上寛之)と漫才コンビ「テラタケ」を組み、プロのお笑い芸人を目指している。原作小説では、音楽バンドだが、映画では漫才コンビの方がハマっている。

 リサイクル工場で働く直貴は、食堂で働く白石由実子(沢尻エリカ)に好意を持たれている。何かとかまってくる由実子に、兄が強盗殺人犯だということを告げ、距離を置こうとする。

 これまでも、兄のことでアパートを追い出されたり、仕事を辞めさせられてりしてきている。今度の工場ではだれにもバレずに過ごしていたが、兄から来た手紙が刑務所から来たものだと先輩社員(田中要次)に見つかり、工場を辞めることになる。

 直貴はCMが決まるなど、お笑い芸人として売れ始め、大会社の専務の娘、朝美(吹石一恵)と付き合うようになる。兄とは依然、手紙を続け、由実子もまだ、直貴を追っている。

 朝美の家に招待されるが朝美の父(風間杜夫)は、直貴との付き合いに反対し、婚約者の孝文(山下徹大)との結婚をすすめる。

 そんな中、直貴の兄のことが徐々に世間に知れていく。祐輔に迷惑をかけたくない直貴は、正確な事情を伝えずに「テラタケ」を解散することを伝えるが、納得できない祐輔は、直貴を殴り飛ばす。

 


 父親に反対された朝美だが、直貴との交際を続け、直貴の部屋に料理を作りに来たりしている。そこに婚約者、孝文が現れ兄のことを暴露する。兄が殺人犯だと聞かされた朝美は動揺し、部屋を出ていく。その夜、朝美はバイクのひったくりにあい、顏に治らない傷をうける。 

 犯罪者に怒りを募らせる父親は、犯罪者の身内の直貴にも厳しく当たり、二度と会わないようにお金を渡す。兄のせいで人生が上手くいかない直貴は、兄を恨むようになり、手紙も一切出さなくなる。

 家電量販店に就職した直貴は、事情を知った祐輔と和解し、由実子と付き合うようになる。しかし、家電量販店にも兄のことが知られ、店舗販売員から倉庫の作業員に配置換えされる。倉庫での仕事中に、家電量販店の会長が訪れる。会長は人事に不満を持っているだろう直貴を心配して訪れていた。会長は、これまでも差別されてきたであろう直貴を慰めるが、差別は全うだと諭す。兄の罪は、家族が差別にさらされるのも踏まえて罪だと諭す。

 会長は、由実子からの手紙に感化されて倉庫まで直貴に会いに来ていた。由実子の手紙は、うまい文章ではないが、会長は心は打たれた。この映画の感動的なシーンだ。何度でも観たくなる。

 直貴は由実子に会いに由実子の部屋に行くと、ドアのポストに兄からの手紙が届いているのを発見する。由実子は直貴になりすまして、兄と手紙のやり取りをしていたのだ。パソコンで筆跡がばれないように。直貴は勝手なことをした由実子を怒るが、由実子は間違ったことはいていないと主張する。兄から逃げようとする直貴に、逃げようとしても無駄だと諭す。

 由実子の部屋には、何通も兄からの返事の手紙がきていた。その手紙を読んでいるうちに直貴は涙が出てくる。ここも感動のシーン。

 由実子にも親の借金から、苦しかった過去があり、その時は父からの手紙で助けられた。由実子は誰よりも手紙の大切さを知っていたのだ。

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Mon cher pigeon*

 由実子と結婚し子供も生まれ充実した生活を送っている。そこに祐輔が現れ、一回だけで漫才をしないかと誘われる。兄が服役している千葉の刑務所で。直貴は誘いを断る。 

 更に近所の人に兄の犯罪のことが知れていく。引っ越そうと直貴が言うが、由実子は悪いことをしてないのに、逃げる必要がないと突っぱねる。

 直貴は家族に迷惑をかけたくないために、兄に決別の手紙を書く。

 直貴は、兄が強盗に入り殺害した女性の息子(吹越満)の家を訪問する。事件後はじめての訪問だ。線香をあげることも断れる。息子は兄から届いた謝罪の手紙を持ってくる。6年間毎月欠かさず届いていたという。そして最後に届いた手紙を読まされる。

 手紙には弟、直貴に縁を切られたことが書いてあり、手紙によって相手にとって迷惑をかけていたと反省の言葉が書いてある。息子(吹越満)は、この手紙で終わりにしよう(許す)と決断する。

 直貴は祐輔と、刑務所で漫才することを決断する。

 この漫才のシーンも感動する。

 漫才自体も面白いが、見事に感動的に仕上げられている。原作の音楽バンドでは演出できないことを漫才に変えることにより見事に演出している。

 東野圭吾の映画の中でもトップクラスの作品だ。

 

 

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