仕事をせずパチンコ屋に通う佐藤達夫(綾野剛)は、行動が粗暴な大城拓児(菅田将暉)と知り合う。拓児の家によばれ、拓児の姉、大城千夏(池脇千鶴)と出会い惹かれていく。拓児の家は姉の他に、脳梗塞で寝たきりの父親と、父親の世話をする母親の4人暮らしで、生活は厳しくバラック小屋に住んでいる。父親は色ボケしている。
千夏は夜の仕事で家計を助けているが、拓児を雇ってくれている造園業者の中島(高橋和也)に無理やり不倫に付き合わされている。
千夏が売春していることを知った達夫は、千春とギクシャクするが、すぐに2人は結ばれる。千夏に男の影を感じた中島は、千夏に対して暴力的な行動に出て、千夏に別れを告げられる。
達夫は以前の仕事、石材を採掘する現場での発破の事故で、同僚を死なせたことに責任を取って仕事を辞めた。元職場の同僚、松本(火野正平)は、達夫を仕事に復帰させようと達夫に付きまとうが、達夫は爆破事故の事が夢に現れ立ち直れない。
達夫は中島のもとに行き、千夏と別れるように忠告するが、中島に殴られる。
ある日、酒に酔った拓児を家に送っていった達夫は、隣の部屋から達夫の父のうめき声を聞く。部屋をのぞくと、父親の相手をしてるのは千夏だった。見られた千夏は涙を流す。
達夫は仕事に戻ることを決意する。千夏と家族を持ちたいからと。職を失っていた拓児も一緒に働く。千夏には、夜の仕事をやめさせる。3人とも現状を抜け出すために少しづつ前に進んでいく。
しかし中島がしつこく千夏につきまとい、拓児の仮釈放の保証人をおりると脅し、車で連れ出しレイプする。その時に殴られた千夏の怪我を見て、拓児は訝しむ。
拓児は、祭りで宴会を開いてる中島に千夏と会ったのかと聞くと、中島は千夏を蔑み馬鹿にする。怒った拓児はたこ焼のピックを持ち出し中島を刺す。拓児は達夫に連れられて交番に自首していく。
達夫が拓児の家に行くと、千夏が色ボケが激しい父親の首を絞めて殺そうとしていたが、寸前で達夫が止める。千夏は抜け出せない、自分の境遇に涙する。
感想
仕事で人を死なせた綾野剛、前科者の菅田将暉、家族を守るため体を売っている池脇千鶴。幸せをつかもうと前を向きだすが、クズ人間の高橋和也との関係が切れずに再び、貧しい境遇に戻される。なんとも切なく、悲しい映画でした。
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