遭難映画 エベレスト

1996年に起きたエベレスト大量遭難を題材にした映画。エベレストの壮大さ、登山の過酷さを感じ取ろう。

 1990年代半ばごろから、お金を払って、ベテランの登山者の援助を受けて登山する、「商業登山」がはやりだした。この映画は、商業登山によって技術不足の登山者が増えたことで実際に起きた、悲惨な遭難事故をもとにした映画です。

 登山の経験が無い方は、エベレストの壮大さが解りにくいと思うので、数字で表してみる。

 エベレスト・・・標高8,848m。

 富士山・・・・・標高3,776m。

 エベレスト登山のためのベースキャンプの標高、5,364m。つまり、富士山より高い位置に登山の基地がある。富士山登山にかかる日数、普通は2日。エベレスト登山にかかる日数、約40日。

 商業登山の費用、650万ドル(約700万)。いかに、エベレスト登山が壮大なもか、おわかりいただけるだろう。

 ちなみに、映画を観る前に、観ておいてほしい動画がある。エベレストは世界一高い山であるが、世界一登山が難しい山ではない。世界一登山が難しい山は、世界二番目の高さ(8,611m)の「k2」である。登山者の5分の1が死ぬといわれている。その「k2」登山に挑んでいる動画で、ユーチューブで「k2 日本山岳会」で検索すれば出てくる25:03分の動画である。8,000m以上の山への登山が、いかに困難かがわかる。8,000以上の山は世界に14座あり、その全部が、下図のエベレストが有るヒマラヤ山脈と、k2があるカラコルム山脈に存在する。

   

8000m峰14座

 ニュージーランドのアドベンチャー・コンサルタンツ社が運営する商業登山に参加したメンバーの遭難を中心に描かれる。

参加者

ロブ・ホール(隊長)

アンディ・ハリス(ガイド)

アン・ドルジェ(シェルパ頭)・・シェルパとは、ネパールの少数民族であるが、ヒマラヤの登山者のガイドを指している。

主な顧客  ダグ・ハンセン、ベック・ウェザーズ、難波康子、ジョン・クラカワー(登山雑誌のジャーナリスト)

 ベースキャンプで高度順応のトレーニングを積んだ一行は、5月10日に山頂へのアタックにチャレンジする。しかし、シェルパ同士の連携不足で、ヒラリー・ステップ(山頂付近の切り立った岸壁)へのロープはりが出来てなかったことや、他の商業登山の参加者たちが、登山の最適日、5月10日を譲らなかったことで、大渋滞が起きてしまう。この日の登頂チャレンジの条件は14時には下山するということで、ここで断念する人が出てきた。(ここで断念した人は、遭難に合わずに済んでいる)

 それでも、一生に一度チャレンジできるかどうかのエベレスト登山を諦めきれずに登頂を目指すものも何人もいた。A・Ⅽ社も難波康子(六大陸最高峰に登頂)、ジョン・クラカワーが登頂に成功。

 ロブ・ホールも登頂し、下山しているときにダグ・ハンセンと合流する。時間切れのために、ロブはハンセンに下山を促すが、1年前も登頂直前で断念し、郵便局員であり何度も参加できないハンセンは、お願いだから登頂させてくれと懇願する。聞き入れたロブは、ともに登頂するが14時を大幅に過ぎていた。

 体力が落ちているハンセンを、ロブとガイドのハリスが下山させようとするが、吹雪にあい困難究める。やがて、ハンセンが滑落し、ハリスも行方不明、ロブも身動きが取れなくなる。

 ベック・ウェザーズは、目の具合が悪くなり途中で休んでいたが、登頂を終えて下山してきた難波康子のいるグループと一緒に下山する。そのグループも猛吹雪にあい、身動きが取れなくなる。やがて、吹雪の隙間を縫って動けるものは、テントまで避難するが、難波康子、ベック・ウェザーズは取り残される。

 5月11日、先に避難したものが助けに戻るが、2人は助けられずに難波康子は死んでしまう。ベックはその後、奇跡的に意識を取り戻し、自力でテントまで下山するが、ひどい凍傷で助かるかどうかわからない。

 ロブは、一度ベースキャンプと無線がつながり、動けないこと、酸素ボンベが使えないこと、ダグが死んだことを伝える。ベースキャンプにいるロブの仲間、ガイは動けないロブを動かすために、妊娠中の妻と連絡を取らせる。ロブは、妻との無線で、妊娠中の娘にサラとなづけるが、会うことはできないだろうと伝えるえ、その後連絡は取れなくなる。

 テントまでたどり着いたが体力の消耗がひどく下山できないベッグを、ベッグの妻が大使館に働きかけヘリコプターを出動させて救出し、無事にテキサスの自宅に帰ることができた。ヘリコプターを6,000m上空まで飛ばすという、最後まで壮大な映画でした。

 ロブの死体は今現在も、回収されていない。

映画の最後には、凍傷を負った本物のベッグ・ウェザーズ、ログの娘のサラの写真が写されている。

エベレスト登山はほとんどの人が実現不可能であろうが、ベースキャンプまでのトレッキングというツアーもあるので一度見てみてはどうでしょうか。

 


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