「雨ニモマケズ」に感動する
宮沢賢治・・・菅田将暉、父・政次郎・・・役所広司、母・イチ・・・坂井真紀、妹・トシ・・・森七菜
正直、宮沢賢治のことは、あまり詳しくは無いが、面白しろそうなので観てみました。映画館の客層は、やはり年配の方が多かったです。
宮沢賢治については、「銀河鉄道の夜」、「注文の多い料理店」など読んだことは無くても題名は聞知っている、その生涯は知らない、という人がほとんどではないでしょうか。
文学者に変わり者は多いと思ってましたか、宮沢賢治もなかなかの変わり者でした。
1896年、現在の花巻市に質屋の長男に産まれるが、質屋は弱いものいじめだと言って、家業を継ぐことを断り、農業にも精通し、人造宝石を作ると言い出したり、法華経にはまったり、音楽もこなし、なかなか多趣味な人だったみたいだ。質屋を嫌うことや、宗教にはまることは、賢治の優しさの表れと言われている。
教育熱心な父・政次郎は、時には厳しく接しながらも、この変わり者のへの愛情がにじみ出ている。映画になる人物だ。
文が書けなくなっているときに、妹・トシが結核にかかる。賢治はトシが楽しみにしていた物語を作って聞かせ、トシを元気づける。その時に作られたのが「風の又三郎」だ。トシが亡くなり火葬されるとき、宗派の違う法華宗を唱え始めるが、政次郎は暖かい目で見守ったり、落ち込む賢治を叱咤激励したり、本当にいいお父さんだ。
賢治の本が出版されるが、ほとんど売れない。政次郎は自分で本を全部買ってしまうという、親バカぶりを発揮するが、おそらく同じ立場になれば私も買ってしまうだろう。
やがて賢治も病に倒れ、家族に看病されて過ごしていく。政次郎は、賢治の作品のなかに「雨ニモマケズ」を見つけ、賢治のもとで読み上げる。実際は、「雨ニモマケズ」は賢治の死後、発見されたが、映画においては、生前に発見されたことで良いでしょう。この映画を見れば「雨ニモマケズ」の奥深さ、賢治の無念さ、優しさが感じ取れ、大好きな詩になりました。
宮沢賢治が37歳で早世したことも、ほとんどの作品が彼の死後、父親によって世に出てきたことも、この映画を観ることで知りました。「銀河鉄道の父」、題名通り大きく偉大な父でした。
Microsoft Word – 言葉集 (keio.ac.jp)(「雨ニモマケズ」全文)
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