満州国に看護婦として渡った女性の過酷な人生の物語
TBS2夜連続ドラマ(前編)
赤十字の看護婦として働く希代(松嶋菜々子)に戦場に向かう赤紙が届き、満州国に赴くことになる。日本人、中国人と分け隔てなく傷ついた人を助けたいと希望に満ちあふれて満州にわたるが、そこは想像したものとははるかに違うものだった。
匪賊と呼ばれる、日本人に恨みを持つ中国人に襲われたり、あまりにも多い重症者と医療道具の不足など、理想とはほど遠いものだった。
そこに軍医で中佐の蔵原(橋本さとし)が就任してくると、更に理想から遠ざかっていく。気に入らないことがあると軍人の威光をかさに殴る、軍医・大竹(笑福亭鶴瓶)も殴られるのが嫌で、蔵原に逆らえない。蔵原の直属の部下だった者の治療を優先するなど、看護婦達の希望は無くなって行くが、希代は希望を捨てずに頑張っていく。
そこに開拓団の中村亘(西島秀俊)が兄・中川光(赤井秀和)と中国人を治療のために病院に連れてくる。中国人の治療などできないと大竹は断るが、説得されて渋々応じることになる。
お礼にと、亘の開拓村に連れていかれた希代は、見事に食料がそろった開拓村と中国人と共存していることに感動する。
しかし後日、中国人を治療したことが蔵原にばれて、大竹も亘も殴られ、止めに入った希代も殴られる。そして治療された中国人は公開処刑されてしまう。
いったん日本に帰国した希代だが、日本での縁談話を断り、満州の亘のもとに嫁ぐことを決意する。それを聞いた希代の祖父(山崎努)は希代に勘当を言い渡す。
亘と結婚し息子・博人にも恵まれた希代は大竹や後輩のハル(高梨臨)らと再会する。博人の病気を治してくれた大竹らに感銘を受けて、希代は看護婦に復帰する。そして亘に召集令状がくる。
戦争が激化する中、希代の病院に沢山の兵隊が運び込まれるが、その中に両足を切断されて虫の息の兵隊が運ばれてくる。それは、亘だった。亘はしゃべることもできないほど弱っており、希代や病院の人が見守る中で亡くなっていく。挿入歌「名も知らぬ花のように」が涙を誘う。
博人に会いに開拓村に戻るが、ソ連軍の襲撃を受けて壊滅していた。亘の兄・光の妻・香織(渡辺真紀子)は襲われ、光は自殺していた。博人を追って東安駅まで行って、電車に乗った博人に会うことは出来たが、既に電車は満員で電車に乗ることはできずに、次のハルビンの開拓地で待っているように手を握って伝える。しかし、電車が出発した後、中国、ソ連の追撃を恐れた関東軍が東安駅を爆破し、多数の死傷者を出してしまう。
前編終了
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