内田けんじが仕掛けるミスリードに見事にはめられる。
実のストーリーを、みせかけのストーリーにミスリードする、視聴者を騙すために作られた映画。
梶山商事の社員・木村(堺雅人)と、中学生時代の同級生で妊娠している美紀(常盤貴子)がほのぼのと朝をむかえている。しかし、木村は謎の女(田畑智子)とホテルで密会し、その後、女と共に失踪する。その場面を木村の同僚の社員に写真を撮られている。写真を見た梶山商事の幹部・唐沢(奥田達士)は社長・大黒(北見敏之)の指示のもと、探偵の北沢(佐々木蔵之介)に木村の居場所探しを依頼する。陣痛が始まった美紀は、同じく中学時代の同級生・神野(大泉洋)に助けを求める。
北沢は、木村、神野の中学時代の同級生になりすまして、木村を探そうとするが、その時に母校で教師を務める神野に出会い、木村探しの協力を求める。木村と一緒に写っている謎の女性の写真を見せて、陣野に見覚えがないか確認する。
北沢が調査をするうちに、梶山商事がヤクザの片岡(伊武雅刀)とつながりがあることを知る。北沢はその片岡から借金をしている。また、片岡がHEAVENという店で働いていた「あゆみ」という女を探していること、梶山商事がHEAVENの常連だということをしる。北沢は木村と一緒に失踪した謎の女が「あゆみ」ではないかと疑い、神野をつかい個室ビデオ店でHEAVENで働いていたメグという娘に、写真を見せて「あゆみ」だと確認する。木村が「あゆみ」がHEAVENで接触していたことも確認する。
木村が失踪に使った車が駐禁でレッカーされたと警察から神野に連絡が入る。(車の持ち主は神野)木村の潜伏先がレッカーされたあたりだと目星をつけ、その場所に行き木村の携帯を呼び出してみるが、レッカーから取り返した車の中で着信音がなる。北沢はそこで偽の木村の携帯を神野にわたし、本物の木村の携帯は、北沢が持ち帰る。
北沢は、唐沢に電話して木村を探し出す目途がついたこと、更に「あゆみ」を見つけたので、別途金が欲しい、さもなければ片岡に「あゆみ」を連れ出したのは、梶山商事の社員だとバラスと脅迫する。
そして、神野が部屋に帰るとそこには木村がいる。
ここから映画のいろんな真相が判明していく。この映画は、真面目で純朴そうだが頭の切れがある神野と、探偵の傍らアダルトショップを経営し、部下(尾上寛之)に裏切られる北沢の人生観のやり取りも面白い。なんといっても、最初から仕掛けられた細部にわたる「ひっかけ」が、回収されていくのを堪能してほしい。
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