ダブルフェイス　偽装警察編

「ヤクザの幹部、実は潜入捜査官。」「エリート警察官、実はヤクザの潜入員。」

　高山（香川照之）は青年時代、織田組のチンピラに絡まれているところを、組長（小日向文世）に助けられ、織田組に入ることになる。そこで組長に、組のために警察官になるよう命じられる。

　森屋純は（西島秀俊）は、唯一、純が警察官であることを知る小野寺警視正（角野卓三）が亡くなったことにより、警察官に戻れる道を絶たれ絶望に堕ちている。

　組長は組の安全保障のために、高山に代議士の娘、万理（蒼井優）に近づき、薬漬けにするように命じる。高山は万理と同棲するとこまでこじつける。

　亡くなった小野寺警視正の携帯電話を手に入れた高山は、名前の登録のない電話番号を見つけ、それが織田組に潜入している捜査員だと見当をつけ、コンタクトを試みる。亡くなったはずの警視正の携帯から着信が来た純は、警戒しながら電話にでる。高山から、「潜入捜査員だろ、手を組まないか」と持ち掛けられ、警察に戻れる最後のチャンスと思い手を組むことを決意する。

　再び織田組はドラッグの取引を行うことになる。純から情報を得た、高山は部下の堺（高橋光臣）らと取引現場に突入する。織田組長は、現場から逃げるが追ってきた高山に射殺される。正に飼い犬に手を噛まれた。高山はヤクザから抜け出し、本当の警察官として生まれ変わりたい思いを抱いていた。

　　純と高山が面会する。純は織田組所有の封筒を、高山が持っていることを知り、高山こそが織田組から警察に送り込まれている潜入者だと気づき身を隠す。素性がバレた高山は、警視正のパソコンから森屋純が警察官だという証拠を消し、織田組長射殺の罪を純に擦り付け、純の抹殺を試みる。

　しかし、純は織田組長の別荘から、組長と高山が密会している写真、その時の録音機を手に入れ、高山を脅迫しビルの屋上に呼び寄せる。万理にも、狙いが有ってい近づいたことを知られ破局する。

　純は、自分が警察官であることの証拠を復元するよう、銃を向けて高山に迫るが、そこに高山の部下の堺が駆け付け、純とにらみ合いのうえ、堺が純を射殺する。主役が殺される仰天の展開。実は堺も高山同様、織田組長により警察に送り込まれた潜入者だった。高山は知らなかった。

　しかし、ビルの屋上から2人で降りるときに、高山が堺を射殺する。見事に堺を織田組の内通者にしたてあげた。この辺りはどんでん返しの繰り返し。高山は自分の素性を知っているものをこの世から1人残らず抹殺し、本当の警察官になって、生まれ変わりたい。

　織田組を壊滅させた高山は、警察から表彰され見事、ヤクザから本当の警察官に生まれ変われたはずだった。

　しかし、織田組の後を継ぐことになった黒辰会の組長（北見敏之）から、「これからも引き続きお願いします。」と囁かれる。素性を知るもが存在し、ヤクザの潜入者から抜け出せないのでした。

　潜入捜査編、偽装警察編ともに展開が早く、スリリングで面白いドラマでした。