松たか子と阿部サダヲが結婚詐欺を!「夢売るふたり」あらすじ

3.9

 小料理屋「いちざわ」を営んでいる市澤里子さとこ(松たか子)と貴也かんや(阿部サダヲ)夫婦。ある日、調理場から出火して店が全焼する。

 料理屋を再建しようと二人は別々に働きだす。里子はラーメン屋でアルバイト。貴也は料理屋で働き始めるが、店員と喧嘩になり店を辞める。次第に貴也はお酒に溺れ、里子にもあたり出す。

 ある日、貴也は酒に酔って駅のベンチで寝ていると、同じく酒に酔った店の常連客、玲子(鈴木砂羽)と出会う。玲子は不倫相手の会社の部長を亡くしたショックで、お酒を飲みすぎていた。玲子を家まで送り届けると、二人はそのまま関係を持ってしまう。お店を火事で亡くしたことを知った玲子は、お店再建のために、部長の弟に渡された手切れ金を貴也にあげる。

 大金を受け取った貴也は喜んで里子に報告するが、里子は浮気を悟りお金を燃やす。しかし、この件をきっかけに、里子は貴也に結婚詐欺でお金をだまし取らせることを考える。

 二人が働く料亭で、結婚してないことを妹に責められている咲月(田中麗奈)を見かけ、貴也が近づいていく。貴也と咲月は親しくなり、お金をだまし取る。他にも複数の女性と付き合い、お金をだまし取り姿を消す。

 お金をせしめた二人は新しい物件探しを始めるが、物件が高く詐欺を続けることにする。里子は婚活パーティーに参加していた、ウエイトリフティング選手のひとみ(江原由夏)を貴也に引き合わせる。この時二人は兄妹の関係と偽っている。

 里子が癌だと偽り、ひとみからお金をとろうとするが、少額の見舞金しか奪えない。目標は300万。金額が少ないことに不満を漏らす里子と、里子のやり方のひどさに不満を持つ貴也は言い合いになる。里子はお金目的ではなく、貴也と、貴也と関係を持った女への腹いせのために、詐欺をやっている。

 同時に付き合ってる風俗嬢の紀代(安藤玉恵)にも同じように話を持ち掛け、紀代は全財産の120万を貴也に渡そうとする。そこにチンピラの元夫(伊勢谷友介)が殴りこんでくるが、紀代は別れを告げて解放される。

 怪我をしたひとみのお見舞いに病院に行くと、ひとみは300万の現金を用意していた。オリンピックの夢をあきらめ、貴也をお金でつなぎとめようとするひとみに切なさを感じて泣き出してしまう。その病院でハローワークで顔見知りの滝子(木村多江)と出会う。

 滝子や息子の恵太と仲良くなった貴也は、詐欺をはたらくといって里子の元を離れ滝子の実家の仕事を手伝うようになる。貴也がいないことに寂しさを感じた里子が、貴也の様子を見に行くと楽しそうに仕事する貴也の姿を見かける。里子は怒りを覚え刺してやろうと、包丁をもちだすが、恵太が現れビックリして包丁を落としてしまい、そのまま帰る。

 そこえ、詐欺被害者の咲月(田中麗奈)が探偵の堂島(笑福亭鶴瓶)と現われる。咲月は怒り、貴也を殴り始める。それを見ていた恵太が里子の落とした包丁で堂島を刺してしまう。貴也は恵太から包丁を取り上げ、自分が刺したことにして恵太をかばう。

 ラーメン屋にいる里子のもとにも警察が表れると、里子は逃げ出し行方をくらます。

 貴也は刑に服し、里子は港町の漁港で働いている。玲子(鈴木砂羽)の郵便受けには「いちざわ」と書かれた封筒と共に大金が。

感想

 結婚詐欺という悪事をはたらくふたりの気持ちの揺れ方が面白い。阿部サダヲの、ひとみを侮辱する松たか子への怒りや、ひとみへのおもいやり。松たか子の阿部サダヲへの嫉妬心と、その気持ちからのまさかの行為。人情味あふれる映画でした。

 

 

 

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