鈴木亮平の戦慄の演技 柚月裕子原作映画「弧狼の血LEVEL2」

 

3.9

 柚月裕子ゆづきゆうこの小説、「孤狼の血」シリーズの2作目ですが注意。1作目よりはるかに残虐なシーンが有ります。

 平成3年広島県呉原市。大上(役所広司)無きあと、呉原市の裏社会は、日岡(松阪桃李)がしきっている。

 徳島刑務所に服役していた広島仁正会傘下の上林組組長、上林(鈴木亮平)が出所する。出所直ぐに服役中に恨みを持った刑務官の妹(筧美和子)を襲い、斬殺する。日岡はこの殺人事件の捜査を、県警の元公安、瀬島(中村梅雀)と組んで担当する。

 上林組が所属する五十子いらこ会は尾谷組と手打ちしているが、上林は先代会長を殺されたことで復讐を企む。抗争を嫌う仁正会の会長、綿船わたふね(吉田鋼太郎)や五十子会の会長、角谷かくたに(寺島進)は思いとどまるよう説得するが、上林は従わない。後日、綿船のもとに乗り込んで理事長の溝口(宇梶剛士)を殺害する。

 上林は先代会長の殺害に警察も関わっていることを知り、日岡を疑う。

 日岡は上林のことを調べ、上林が中学生の時に両親を殺害していたことを知る。日岡はチンピラのチンタ(村上虹郎)を上林のもとにスパイとして送り込む。チンタの姉はスナックのママ、真緒(西野七瀬)で、チンタを堅気に戻すよう日岡に頼んでいる。

 上林は、角谷とその妻を襲い監禁し、チンタに殺害を命じる。チンタから角谷夫妻の殺害を聞いた日岡は、上林が尾谷組を襲撃する日を調べるように命じる。

 チンタをスパイと疑った上林は、チンタに薬をうち、日岡を殺す鉄砲玉になるように命令する。チンタは命令通り、日岡を銃で襲う。日岡はチンタの顔をたてるため、瀕死の重傷で入院したと偽の情報を流す。しかし、上林はチンタがとどめを刺さなかったことに怒り、チンタに指を詰めさせる。

 上林の仕打ちに恨みを持ったチンタは、上林組が尾谷組を襲撃する日を日岡にリークする。上林はその情報で張り込みをかけていた日岡を襲撃する。瀬島らが助けに入り、上林は逃走する。スパイということがばれたチンタは、上林に捕まり殺される。

 尾谷組が襲撃される事件がおきる。奮闘むなしく抗争が無くならないことに悲観した日岡は、3年前の五十子会長の殺人に関与したことを瀬島に話した。新聞記者の高坂(中村獅童)から、県警が公安と組んで、わざと上林を泳がしていることを知った日岡は、瀬島に疑いを向け、瀬島を訪ねるが瀬島は行方をくらまくす。

 瀬島は日岡の自白を上司の嵯峨(滝藤賢一)に報告し、日岡は県警の隠蔽を高坂にリークする。県警は日岡を謹慎させ軟禁する。

 上林は尾谷組を襲撃する。県警が動いたすきを突き、日岡は脱出し、尾谷組の事務所に駆け付け、上林と死闘を繰り広げる。そこに嵯峨ら県警の人員が到着する。日岡は嵯峨の拳銃を抜き取り、上林を射殺する。日岡は自分を嵌めた嵯峨に仕返しをした。

 平成4年、暴力団対策法で暴力団の力は衰えた。瀬島は麻雀帰りに真緒(西野七瀬)の仕組んだトラックに跳ねられる。日岡は、罪を裁かれることはなく、田舎の町で駐在として働いている。

感想

 残虐なシーンが多く、苦手な人は全く見れない映画でしょう。1作目の役所広司の堅気への思いほど、今作の松阪桃李の堅気への思いは伝わらなかったのは残念です。

 鈴木亮平の演技はすごかった。優しい顔での極悪非道ぶりに戦慄でした。

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