映画のストーリー自体は別段面白いものではないが、伊藤沙莉の体を張った演技は見もの。子役として出ていた「女王の教室」でも重要な役ででていたので、子供のころから演技力は高かったのだろう。「北斗 ある殺人者の回心」(WOWOWドラマ)でも体を張った演技をみせているが、このドラマはかなり残酷。観る人は覚悟してみた方が良い。
お笑いコンビ「オズワルト」の伊藤俊介の妹であることは有名で、昔は妹・沙莉の方が名前が売れていたが、最近は「オズワルト」がⅯ1でファイナリストになるなど、兄も大活躍。
本作は、宗教2世で親の愛情をもらえずに育った子が、居場所を求めてさまよう映画。映画のモデルになった人も映画に出演しているらしい。
沙莉の親は宗教にはまり、沙莉も宗教施設に入れられる。集団で家族生活をしていたが、宗教団体が摘発されて家に戻ることになる。しかし、家にも学校にも馴染めずに、万引きを繰り返すヤンキー集団と一緒に暮らしていく。しかしそこでも彼氏に裏切られ、居場所がなくなってしまう。
普通のサラリーマン家族と一緒に暮らすことになった(ちょっと無理がある)沙莉だが、父親と母親と仲良くなりすぎて、嫉妬した娘に、風俗で働いていることをばらされてしまう。激怒した父親は二度と家に来るなと言うが、沙莉は許してもらおうと、胸を出して迫るが逆効果に。家を追われた沙莉はコールガールにまで落ちぶれる。
もう一人の主役須賀健太は、沙莉の友達で不良グループに属している。この映画の不良グループも居場所を求めてさまよっている。ボスのアントニーは韓英恵という居場所をみつけ、不良グループから抜けていく。吉村界人は居場所を見つけられずヤクザに入ってしまう。須賀健太は大学に居場所を見つける。しかし、この不良たちの物語は、沙莉とはあまり絡まない。
この映画は短編物語の集まりのような映画だ。
そして沙莉は、アダルト女優として居場所を見つけて成功する。そこで子供のころの宗教団体の教祖様と再会するという少々強引なストーリー。
この映画の訴えたいことは、人には居場所が必要ということでしょうか❔
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