ネタバレ有り
正直、内容はイマイチというか、無理があると言わざるおえないが、芳根京子の演技に魅了されました。
聖山環奈(芳根京子)が、父親(板尾創路)を父親の大学のトイレで刺し殺すという事件を起こす。環奈は、「動機はそちらで見つけてください」と言っている、サイコパス扱い。
臨床心理士の真壁由紀(北川景子)が弁護士、庵野迦葉(中村倫也)協力のもと取材を行う。庵野は由紀の旦那、真壁我聞(窪塚洋介)の義弟(子供のころに両親がいなくないなくなり、真壁家に養子に入る)である。由紀と庵野は大学生の時に交際していた。
環奈は、学生のころ付き合っていた先輩に無理やり関係を持たされたり、真剣に好きになったのは小学生の時に出会ったコンビニの店員、ゆうじ君だと告白するが、相手は正反対の証言をする。
ここまでは、複雑な人間関係の設定で興味が膨らんでいく。芳根京子のサイコパスの演技も見応えがある。
環奈の家庭環境はおかしい。母親(木村佳乃)の毒親ぶりも見ごたえあり。父親には、デッサン会の絵のモデルをやらされている。何故か男性のヌードモデルと一緒に。(環奈はヌードではない)モデルに嫌気がさした環奈はリストカットを繰り返す。
由紀は、デッサン会に参加していた人や、ゆうじ君(石田法嗣)を探し求め話を聞こうとする。
由紀にも過去にトラウマがある。由紀の父親が過去にフィリピンで児童買春を行っていた。そのことを由紀は、母親(高岡早紀)から教えられる。わざわざ教える母親もサイコパスだ。
このあたりからこの映画の設定に無理が起きてくる。由紀と庵野の学生時代の焼肉屋での回想シーンなど。由紀と庵野のベッドシーンで、庵野が由紀に言い放つ「二桁超える経験あっても・・・」のくだり、さすがにこれは無理がある。
コンビニの店員、小泉裕二(石田法嗣)が現れる。大学生の時に、小学6年生の環奈と関係を持っていたと告白する(最後まではいっていない)。環奈はその時「慣れているからいいよ」という。現在、家族も子供いる小泉裕二が、わざわざ昔のことを告白するのもあり得ない。由紀が弁護側の証人として法廷に出て欲しいと訴えるが、小泉裕二は断る。当然だ。
環奈は父親(板尾創路)と血のつながりがないことを告白する。さらに「父親を刺してない」と告白する。由紀は環奈の言うことを信用しようとするが、庵野に言い負かされ狂乱し、交通事故に遭う。更に無理があるというか、少しめちゃくちゃ。
裁判で、環奈は父親を刺したのは事故だと主張する。母親が証人として出廷するが、娘、環奈の見方をしない。コンビニ店員、小泉裕二が証人として出廷するが、何しに出てきたかわからない。罪の意識で出てきたらしいが、この裁判には何の影響も与えない。ここも話に無理がある。
事件当日、環奈が包丁を買って父の大学に行った理由、その時の事故の様子を述べていくが無理がありすぎる。
無理があると何回も書いてきたが、木村佳乃演じるような母親のもとで育てられた子供は、芳根京子のような思考回路の子供が育つこともあるのかもしれない、とも思いました。
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