給水制限が出されている群馬県の水道局に勤める岩切(生田斗真)、木田(磯村勇斗)が、水道料金未払い者に、停水執行を行っていく中での心の葛藤を描くストーリー。
「太陽や空気は只だから、水も只でいいのではでいいのでは」磯村勇人がつぶやく言葉に、納得する気もする。
未納者の中には、本当に払えない人、払えるけど払わない人、様々な人がいる。水代なんて只だろうとごねるやつもいる。本当に払えない人に対する停水は、心が痛む。この仕事には就きたくない。実際に停水執行は、行われるのだろうか。命の危険にさらされる気がするが・・・。
停水執行を行うたびに人間が変わっていくという理由で、外回りをはずしてもらう社員も描かれている。わかる気がする。
二人の子持ちのシングルマザーの小出有希(門脇麦)と出会う。有希はマッチングアプリで男と会い、家にも帰ってこない。姉の恵子(山崎七海)、妹の久美子(柚穂)は、ネグレクト気味の有希のもとで健気に生きている。柳楽優弥主演の映画「誰も知らない」を思い出す。そんな姉妹を見て、岩切は停水執行に踏み切れない。
岩切も家族とうまくいってない。子供のころ親に虐げられていたことがトラウマで、家族との距離感がつかめない。妻の和美(尾野真千子)は子供を連れて実家に帰ってしまう。
遂に、姉妹の家の水を停止する日が来てしまう。母親(門脇麦)は今日も家にいない。岩切も木田も執行前に家中の水をためておくようアドバイスする。水道栓を停めるとこを姉妹にじっと見つめられる。やりきれない。
姉妹の母(門脇麦)を見つけた岩切は、姉妹を見捨てず水道代を払うことを説得するが、言い返されて落ち込んでいく。
生活費が無くなった姉妹は、自販機のしたのお金が落ちてないか探しているとこを女子高生に笑われたり、公園で水を汲んだりして生活しているが、遂に万引きをしてしまう。
通りかかった岩切が、お金を払い助けようとするが、恵子に断られる。
何かふっけれた岩切が爆発する。恵子を連れ出し、公園に行き給水制限で停められていた公園の水道栓をあけ、ホースでまき散らす。妹、久美子は大喜び。姉、恵子も最初はあっけにとられていたが、一緒に楽しみだす。更に、岩切が駆け付けた水道局員に取り押さえられるのを見て、岩切を助けにく。
岩切の小さなテロは、あっけなく終わるが、岩切はすっきりした様子でした。
淡々と進む映画でしたが、時間も短く感じるテンポの良い映画でした。磯村勇人の役柄が良かったです。
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