川村正治（市原隼人）、美江（臼田あさ美）が高台で景色の良い双葉荘に引っ越しを考える。引っ越すにあたり、双葉荘の大家、寺田夫妻（中原丈雄、吉行和子）に面接みたいなことをされて、大家に嫌悪感をもつ。大家は家賃の支払いを、毎月、現金で持ってくることを要求する。ちょっとおかしな大家さんだ。
しかし双葉壮が気に入った二人は引っ越してきて、隣に住む八井沙季（陽月華）に挨拶する。沙季は夫が単身赴任中で1人で住んでいる。沙季は川村夫婦に料理を届けたり友好的だ。
正治は舞台監督を辞めライター業になり、家に籠りがちになる。美江は副編集長に出世し、家に不在の時が多くなる。隣人、沙季は美江が不在の時も川村家に上がり込み正治と二人で晩御飯を食べる。こちらも違和感が漂い始める。
正治は家の中で、知らない男、倉田誠司（中村倫也）の幻影を見かけるようになる（美江には見えない）。ここから少しオカルト的に展開する。完全に誠司の姿が見えるようになった正治は、誠司と筆談を始めるようになる。誠司は一言もしゃべらない。話ているうちに、誠司は26年前に双葉荘に住んでいた人だと解っていく。
正治は誠司と遭遇することが楽しみになっていく。誠司は妻ののろけ話をするなど、2人は打ち解けていく。
美江の紹介でライターの仕事をもらう正治だが、仕事に真剣に取り組めず、美江のイライラは溜まっていく。誠司に相談すると、誠司も画家志望だがうまくいかずイラストの絵を書いている、と聞かされる。誠司の絵を見せてもらった、正治は絵に真剣に取り組む誠司に感銘をうけ、仕事に打ち込み始める。何故か、書きかけの絵だけは見せてもらえない。
正治は誠司の妻の幻影もうっすら見えるようになる。ある日、落ち込んでいる誠司にどうしたのか尋ねると、稼ぎが悪くて家賃が払えないと打ち明けられる。絵を諦めて、他の仕事に就くと言われる。
正月、美江は仕事の愚痴、不安を正治に話すが、誠司のことが頭に浮かんで上の空で聞く正治に憤りを覚えていく。美江の怒りを抑えるために、正治は誠司のことを話すが、なかなか信じてもらえない。そこに隣の沙季が作ったおせちを持ってくる。沙季の旦那は正月も帰ってこない。何かあやしい予感はぬぐえない。
美江は倉田誠司が実在したのか調べてみたが、存在しない、正治の幻覚では無いかという。
そして正治は新たな幻影を見る。それは、大家の寺田（中原丈雄）が家に入ってきて、家賃の払えない誠司の妻と揉めている。寺田は妻を強姦しようとするが、誤って殺してしまう。正治は助けに入ったが幻影なので触れることができない。寺田は、妻を首つり自殺に見せかけて去っていく。そこに誠司が帰ってきて妻の死体を発見する。正治は、自殺ではなく寺田に殺されたと教える。
そのことを美江に話すが、勿論すぐには信じてもらえず、美江は確かめると言って、不動産屋に問い合わせる。20年以上前に人が亡くなったか確認すると、30年ぐらい前に住人の奥さんが自殺したことがあると伝えられる。話を信じた美江は、ここには住みたくないと実家に戻っていく。正治は、もう一度誠司に会いたいと双葉荘に残る。
しかし正治は、大家の寺田のとこへ行き、明日引っ越すと告げる。正治は寺田に人を殺したのでは、と責める。否定する寺田だが、現場を見ている正治に、現場で起こったことをそっくり言われ、言い逃れができない。
正治と美江は別居することになる。倉田誠司は事件以降、正治の前に現れない。
1年後、久しぶりに大家の寺田の妻（吉行和子）にあい、主人が死んだことを聞く。正治は、八井沙季のことをきくが、寺田の妻は驚き、写真を見せる。沙季は誠司の妻で、誠司は倉田誠司では無く、八井誠司だった。誠司が家賃の代わりに置いていった絵を見せてもらうと、沙季の絵が描かれていた。 沙季は亡霊だった。
美江の調べた結果、八井誠司は有名な画家になって、既に亡くなっていた。正治の母によると正治が5歳の時に、倉田誠司に絵を描いてもらっていた。絵の裏には、双葉荘の友人よりと書かれていた。
八井誠司、沙季の思いが生んだ時空を超えた友情物語でした。
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