あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。

 現代の人間が昔にタイムスリップするという、よくある設定だがとても内容が深い映画です。

 母子家庭で母親(中嶋朋子)に不満を抱いている加納百合(福原遥)は、母親と喧嘩をして家を飛び出す。防空壕で一夜を過ごした百合は1920年6月10日にタイムスリップする。

 お腹を空かして困っている百合は、通りかかった佐久間彰(水上恒司)に助けられる。彰は特攻隊員だ。彰は百合を、ツル(松坂慶子)が女将を務める鶴屋食堂に連れていく。行き場のない百合は鶴屋食堂で住込みで働くことになる。鶴屋食堂は近くの陸軍の兵隊の食堂で、彰と同じ隊の仲間も常連だ。

 彰の仲間には、郷里に婚約者がいる板倉(島﨑斗亜)や、食堂を手伝っている千代(出口夏希)と恋をしている石丸(伊藤健太郎)などがいる。

すかいらーくの宅配

 日本の未来を知っている現代人の百合からは、彼らが特攻で死ぬことは無駄死にとしか思えない。しかし、戦争当時の軍人には、そういう思いは伝わらない。

 百合は警察に責められているとこや、空襲で動けなくなく、死にそうになったところを何度も彰に助けられ、彰への思いが強まっていく。

 いよいよ彰の隊の出撃の日が決まる。彰たちはお世話になった鶴屋食堂に別れを告げに来る。

 もう少しで戦争が終わることを知っている百合はどうしても、やりきれない。身寄りがなく歩けない婚約者がいる板倉は、逃げることを決断し、仲間も見逃す。百合は彰にも逃げるようにお願いするが、彰は受け入れない。

 彰たち残りの隊員は、百合、ツル、千代たちに見守られ特攻に飛び立っていく。

 現代に戻った百合は、戦争時代を経験し、寛大な人間にって母親や友人に接していく。学校の社会見学で訪れた特攻記念館で、タイムスリップしたときに出会った彰たちの手紙を発見し、百合は涙にくれる。

 大きな展開が有る映画ではないですが、日本のためと信じて死に行く若者、それが日本のためにならなかったことを知っているが止められない百合の葛藤を描いた胸を締め付けられる映画でした。

 

 

 

コメント

  1. VecCheli より:
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