東野圭吾映画  脳死は死か? 人魚の眠る家

 身内が脳死になった場合、受け入れられるだろうか?

 播磨薫子かおるこ(篠原涼子)、和昌(西島秀俊)夫婦には、瑞穂みずほ(稲垣来泉)と生人いくと(斎藤汰鷹)の2人の子供がいる。瑞穂と生人は、薫子の母、千鶴子(松坂慶子)に連れられて、薫子の妹、美晴(山口紗弥加)の子供、若葉と一緒にプールに行く。そこで瑞穂はプールの排水溝に指を詰まらせ、溺れてしまう。

 病院に駆け付けた薫子と和昌に医者の進藤(田中哲司)は、瑞穂が脳死状態であることを告げる。夫婦は脳死を死と受け止めるか、心臓の死をもって死とうけとめるか、選択を迫られることになる。脳死を受け入れれば、臓器提供を行うことができ、人の命を救うことができる。

 薫子は脳死を受け入れようとしていたが、瑞穂の手がまだ動いていると思い、瑞穂はまだ生きていると思いなおす。

 薫子は瑞穂を家に連れて帰り、自宅で介護しようと考える。そんな薫子に和昌は理解をしめし協力する。和昌の会社は医療技術を提供する会社で、社員の技術者、星野(坂口健太郎)にも協力してもらい、横隔膜ペースメーカーを瑞穂の身体に埋め込んでいく。母、千鶴子も積極的に在宅介護に協力する。

 星野も医療技術の面で積極的に協力し、機械を使って瑞穂の身体を動かそうとし、瑞穂の状態は良くなっていく。星野は恋人の真緒(川栄李奈)との時間も犠牲にしてまで協力する。

 しかしそんな星野に、脳死状態の人にそんなことしても無駄だと言う同僚もいる。真緒は忙しすぎて誕生日にも会えない星野の後をつけていくと、播磨家の前で薫子と鉢合わせる。薫子は星野によって瑞穂が助けられていると、瑞穂を真緒に見せる。真緒は脳死状態の子が手を上げだしたことに怖さをかんじ、逃げ出していく。

 和昌の会社では、社長の和昌が研究員の星野を私物化していると問題になる。和昌は先代社長で父(田中泯)に相談すると、父から「人間の領域を超えている」と諭される。和昌は星野に瑞穂の治療から外れるように命令するが、星野は納得できない。

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 和昌は、瑞穂が機械によって動くことに違和感を持ち始める。和昌は街頭で心臓移植の募金を求めている学生時代の友人に出会う。もし、瑞穂の脳死を受け入れ臓器を提供出来たらと救える命が有ることを思い知らされる。

 薫子は生人の小学校の入学式に、瑞穂をつれてきたり、毎日公園に連れて散歩したりするようになっていく。

 生人は瑞穂のことで学校でいじめられている。お母さんは嘘をついている、「お姉ちゃんは本当は死んでいる。」と薫子に言い放つ。一緒にいた妹、美晴たちともギクシャクしはじめる。

 和昌も瑞穂が近所で見世物になっていると、薫子の行動を咎めだす。和昌は瑞穂の死を認めようと諭すが、薫子は納得しない。

 生人の誕生日に誕生会を開くが生人は、瑞穂がいることで友達を呼んでいない。生人は友達に瑞穂は死んだと言ったと薫子に告げる。怒った薫子は生人にビンタする。止める和昌たちと揉める薫子は、包丁を持ちだし、瑞穂のもとに行き、電話で警察を呼びつける。

 薫子は、「今瑞穂を刺して殺せば殺人罪になりますか?」と警察に問いかける。死んでいるなら、殺人罪にならない、生きているなら殺人罪で刑に服するとして瑞穂を刺し殺そうとする。和昌が飛び込んで、瑞穂を殺さないでくれと、薫子にお願いする。

 そこに妹、美晴の娘若葉が、瑞穂が溺れたのは自分のせいだ、自分の身代わりになったと泣きながら告白する。生人も、「学校でお姉ちゃんはいきてるっていうよ」と泣きだしてしまう。薫子は生人を抱きしめて謝る。

 薫子は瑞穂のことを回想しながら遂に瑞穂の脳死を受け入れ、臓器提供に協力する。

 瑞穂の葬儀が行われ、和昌は訪れた医師(田中哲司)に心臓が止まった時が死だと思うと話すと、医師は、でしたら娘さんはこの世のどこかで生きている話す。

 瑞穂の心臓を移植された子供が、元気に走り出していく。たどり着いた空き地は瑞穂たち住んでいた場所だった。

 

 

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