これほど可哀そうなストーリーに実話があるとは😭
役所広司がカンヌ国際映画祭で主演男優賞を獲得したことで、柳楽優弥の「誰も知らない」を思い出して観てみました。
映画は1988年に現実に起きた「巣鴨子供置き去り事件」を基にした、育児放棄の物語です。
母親・福島けい子(YOU)の育児放棄により、長男・明(柳楽優弥)、長女・京子(北浦愛)、次女・ゆき(清水萌々子)、次男・茂(木村飛影)の子供たちだけの生活を強いられます。(時々、母親は様子を見にきている)映画の中の母親は、子供たちへの愛情は持ってはいるようだが、男にだらしない。子供たちはそれぞれ父親が違うし、男についていくために、子供たちを見捨ててしまう。しかも付き合う相手が責任感のない男ばかり。
兄弟たちの面倒を見ている明は、生活費が底をつき、兄弟の父親(明の父親では無い)にお金の無心に行きます。なんとも切ないシーンです。父親たちも、自分の子供が困窮してると知ったなら、何か手を打たないものだろうか?
コンビニで賞味期限切れの弁当をもらったり、水道水で生活するなど想像もできない壮絶な生活が続きます。不登校の中学生・水口紗希(韓英恵)も援助しようとするが、子供の力では何ともならない。
やがて明は悪友と付き合うようになる。悪友が明らの家にたむろするようになり、ゲームの邪魔になる次男を突き飛ばすシーンがあるが、実話の巣鴨の事件では、もっと悲惨なことが実際に起きている。本当に育児放棄の罪は重い。
明が、言うことを聞かない兄弟をほったらかし、野球を楽しんでいる間に次女が椅子から落ちて亡くなってしまう。明は、紗希と一緒に次女が観たがっていた飛行機の見える河川敷にスーツケースを入れた次女を埋めて弔います。
悲しみを誘う歌が流れて映画は終わります。
こんな酷い、残酷な事が現実に起きていたなんて、悲しみしかありません。
残念なのは、巣鴨の事件が起きたのが1988年。それからも育児放棄や虐待による子供の不幸が後を絶たないことです。児童福祉センターに連絡があったにも関わらず、助けられなかったりするのは、法律に不備があるのではないか?これからも、無責任な親による育児放棄は起きるでしょう。その前提で、子供たちを守る社会が出来て欲しい。
柳楽優弥には見とれました。母への愛情、姉妹、弟たちへの愛情、責任感、それらの表情、特に眼差しに見とれていました。これがカンヌ映画祭で賞を取る演技なんでしょう。しかも14歳。今も不良役など多彩な役で楽しませてくれています。
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