夫・一浩(オダギリジョー)が失踪し、娘・安澄(杉咲花)と二人で暮らす双葉(宮沢りえ)は職場で倒れ、末期ガンで余命2ヶ月と宣告される。泣き崩れる双葉だが、命のある間にやるべきことをやりきると、覚悟を決めた生活がスタートする。
探偵・滝本(駿河太郎)に見つけてもらった一浩のもとに乗り込み、一浩を連れ戻す。一浩と一緒に一浩の娘?鮎子(伊東蒼)がついてくる。双葉はこの時、滝本にもう一つ依頼をする。
双葉は家族4人で休業していた銭湯「幸の湯」を再開する。ある日双葉は、鮎子が銭湯のお金を盗んでいるところを見てしまう。鮎子は、自分を捨てて出て行ったママに会いたくて、お金を盗んでいた。ママに会いたくて、住んでいたアパートに戻り待っていた。ママに会えずに泣いている鮎子を、双葉と安澄が迎えに行き連れて帰る。
双葉は、学校でいじめに遭っている安澄を、自分がいなくなってからも、いじめに遭わないように、安澄に自力で解決させる。
一浩が、死ぬまでにやりたいことは無いかと、双葉に問いかけると、エジプトに行ってピラミッドを見たいというが、一浩はそれは無理と。
双葉、安澄、鮎子は銭湯を一浩に任せ、伊豆に旅に出る。この旅こそが、双葉の最後の重要な目的だ。
途中のドライブインで、北海道からヒッチハイクで旅をしているという拓海(松坂桃李)と出会い、同行する。双葉は、拓海が北海道から来ているという嘘を見抜き、目的無くふらついている拓海に、本当に北海道に行くという目標を立てさせる。拓海は、目標を達成出来たらまた会いに行くと、旅立っていく。
伊豆を訪れた3人は、レストランで食事をする。食事後の会計の際、双葉はいきなり仲居さんを平手打ちにする。車に戻った双葉は安澄に、さっきの仲居さんが坂巻君江(篠原ゆき子)さんで、安澄を産んだ母親だと伝える。安澄は、双葉が生みの親だと信じていたので、受け入れられない。
君江は安澄を産んだが、耳が不自由などの理由で育てることができなく、安澄を置いて出ていっていた。双葉は、嫌がる安澄に、君江のもとに挨拶に行くよう強引に車から降ろし、夕方迎えに行くと走り去る。
君江は毎年、安澄の誕生日にタカアシガニを送り、双葉は安澄にお礼の手紙を書かせていた。もちろん安澄は君江が本当の母だとは知らずにいた。
安澄は君江に会い、耳と口が不自由な君江に手話で話しかける。双葉がいつか必要になるからと安澄に手話を覚えさせていた。
夕方、安澄を迎えに戻るが、疲れがたまった双葉は倒れて入院する。
双葉は入院生活が続き、安澄は君江と毎日メールを交換し、時々会う仲になっている。そこに探偵の滝本が再び訪れ、頼まれていた双葉の母親が見つかったことを伝える。双葉も母親に捨てられていた。亡くなっていると思っていた母親が生きていたことで、双葉は会いたくなり、滝本に連れられて会いにいく。滝本が母親に、双葉が会いたがっている旨を伝えるが、母親に拒絶されてしまう。
一目だけ見みようと母親の家を除くが、楽しそうに過ごす母親を見て複雑な気持ちになり、物を投げて窓ガラスを割って逃げていく。
双葉の症状が悪化していく。北海道行きの目標を達成した拓海が会いにやってくる。ある夜、一浩がみんなに今晩だけ頼みを聞いて欲しいと、みんなにお願いする。一浩はみんなを夜の病院に連れていき、窓から見れるところにピラミッドをつくり、双葉に見せる。双葉は感動し、死にたくないと泣いてしまう。
双葉にその時が訪れる。告別式は銭湯で富士山を見ながら行われた。出棺して霊柩車に運ばれていくが、火葬場に行かず土手に停まり、一浩と滝本はなにやら話し込んでいる。
葬儀後、一浩、安澄、鮎子、君江は銭湯に入っている。双葉の火葬を銭湯で行ったのだ。4人は双葉の温かみを感じホッコリつかっている。
宮沢りえの芯が強い母親役、オダギリジョーの頼りなくも愛される父親役、あどけなさが残る杉咲花、伊東蒼、ホッコリと感動する映画でした。
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